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延命寺 本太風土記

 

本太風土記

<五体投地健康法>

Vol.8

 

世の中にはいろいろな健康法があります。先日、郵便局で読んだ健康雑誌には、 アッカンベー健康法というのがありました。ヨーガにあるライオンのポーズの変形のようです。
インド発の健康法には飲尿療法がありますね。老バラモンなどが、よく牛の尿を飲んでいます。
五体投地も仏教の礼拝ですから、インド発かなあ。チベット人は五体投地礼をしながら、何百キロでも巡礼して、カイラーサ山を巡ってしまうのだから、凄いです。素人でこれですから、お坊さんでもチベット人の行が一番深いと思っています。
五体投地は仏教のみならず、イスラーム教でも、毎日、メッカに向かって礼拝します。これは、ヨーガでいうと完全呼吸法で、全身をつかって深く呼吸するという意味があります。リラックス・タイムですね。でも、自分でやってみてもう一つ意味があるのを発見しました。 image
五体投地礼は、重力をつかまえる行です。ストンと重心を落とす練習になります。
実は、座禅も基本的にはその修練ではないでしょうか。ヨーガはいろいろなポーズをとっているように見えますが、基本は、やはり重力を意識して使うことでしょう。
武術でも八極拳などでは、徹底的に足の踏力を鍛えますが、これも筋肉を鍛えることもさることながら、真っ直ぐ重力の力を利用する訓練だと思います。ぶれると破壊力がでません。
おそらく行の力、宗教的な祈りの力というのも自然体で重力に載っちゃう技術がないと出ないのではないでしょうか。明恵上人などは、木の枝の上でも自然体でいて、瞑想したと伝えられています。

三千仏礼拝を目指して

五体投地礼といっても、私がやっているのは本堂の中で礼盤をつかってやるので、 全身をべたっとひれ伏す形ではありません。三十センチくらいの高さの台に両手と頭をつけてやるので、少し楽です。また、五体投地で尺取り虫のように前進するという形ではないので、真っ直ぐ身体を落とすことになります。毎日、百回程度です。約十五分かかります。
一時期、気合いを入れて四百回までやりましたが、足がパンパンに張ったので、少し休みました。また、頑張ろうと思っています。
というのは、私達の所属する天台宗の仏教青年会で、十一月に三千仏礼拝をやりましょうと呼びかけているからです。 image
今を去ること二十数年前、比叡山の行院に入った時、私も三千仏礼拝をやりました。
食事などの休憩が入りますが、ほとんど朝から夕方までかけて、仏名を三千唱え、 三千回五体投地礼をやります。
三千回完璧に出来る人はいません。よくやる人で二千回程度が限度で、後は形が崩れたまま、かろうじて仏名を唱えていたように思います。  
よく、プロレスラーが毎日三千回ヒンズー・スクワットをやるとかいいますが、並の体力では出来ませんね。この年になってからじゃ、千回が限度だろうなと思いますが、もう少し、努力してみます。

構造医学

最近、版元から取り寄せて『構造医学/自然治癒力は重力にある!』(エンタプラ イズ発行、電話03-3555-7971)という本を読みました。凄く面白いです。
実は、新聞広告で見て以来、何ヶ月も本屋で探したのですが見つかりませんでした。先日、また、新聞広告を見たのでやっと注文できた次第です。
よく健康法やダイエットの本にあるようなトンデモ本かと思ったら、医学的、解剖学的、自然人類学的に検証したスグレモノです。ちょっと、力学的な説明など文化系の私には取っつきにくいので、まだ、読みこなしておりません。というわけで、続きはまた、今度。

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掲載日 : 2000.04.27
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